共通テストと私大受験の関係を解説|利用入試の全体像
私大受験でも共通テストは関係します。
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私立大学の受験でも共通テストは関係します。多くの私大が共通テスト利用入試を設けており、点数だけで合否が決まる単独型と、個別試験と合算する併用型があります。私大専願でも、まず確認しておきます。
2026年10月時点の情報です。
共通テスト利用入試とは?私大受験での位置づけ
共通テスト利用入試とは、私立大学の一般選抜のうち、共通テストの成績を合否判定に使う入試方式のことです。いまや例外的な制度ではありません。2026年度に共通テストを利用した入試を実施した私立大学は520大学で、全私立大学の8割以上にあたります。
私大志望でも、制度を知らないままだと受験機会を1つ取りこぼすことになります。
私大の一般選抜は、大きく2つに分けて理解すると整理しやすくなります。
| 区分 | 内容 | 試験会場 |
|---|---|---|
| 一般方式 | 大学が作成した問題だけで合否を決める | 大学や地方試験会場へ行く |
| 共通テスト利用方式 | 共通テストの成績を合否判定に使う | 単独型なら行く必要がない |
共通テスト利用方式はさらに単独型と併用型に分かれます。全体では単独型を採る大学のほうが多くなっています。
単独型:共通テストの点数だけで合否が決まる方式
単独型は、共通テストの得点だけで合否が決まる方式です。大学独自の個別試験がないため、出願書類を出して共通テストを受ければ受験が完結します。
単独型の特徴を整理します。
- 試験当日に大学へ行く必要がない
- 共通テスト1回の成績で複数の大学・学部に出願できる
- 大学ごとの過去問対策の負担が小さい
- 移動費や宿泊費を抑えられる
地方在住の受験生にとって、首都圏や関西圏まで行かずに併願校を確保できる点は大きな利点です。移動と宿泊の負担が減る分、2月の一般方式に体力を残せます。
併用型:共通テストと大学の個別試験を合算する方式
併用型は、共通テストの成績に大学独自の試験の成績を合算して合否判定する方式です。個別試験の内容は学力試験に限らず、小論文や面接のこともあります。医学部を中心とするメディカル系では、教科試験は課さずに面接や小論文を課す大学もあります。
併用型を使う判断基準は次の通りです。
- 共通テストの得点が思ったより伸びなかったが、個別試験で挽回したい
- 得意科目が大学独自の問題と相性がよい
- 一般方式の問題をそのまま併用型にも使う大学で、受験機会を増やしたい
大学によっては、一般方式と単独型の両方に出願すると、結果として併用型にも出願したことになる仕組みを取っています。配点や判定方法は大学ごとに違うため、募集要項で確認が必要です。
共通テスト利用を実施していない大学・学部もある
共通テスト利用がまったくない大学・学部もあります。代表例は慶應義塾大学で、一般選抜で共通テストを使って受験することはできません。志望校がここに当たる場合、共通テストの点数は第一志望の合否に直接は影響しません。
詳しくは慶應義塾大学の入試は共通テストが使えない理由と入試科目で確認できます。
逆の動きもあります。一部の私大では一般選抜で共通テストが必須です。早稲田大学は社会科学部、国際教養学部、政治経済学部、スポーツ科学部、人間科学部の5学部で共通テストが必須となっています。国公立大学を受けない人でも共通テストが必要になるケースがある、という点は押さえておく必要があります。
私大志望に共通テストは関係ない?必要になるケースと不要なケース
「私大だから関係ない」とは言い切れません。必要かどうかは大学の種別ではなく、どの受験方式を選ぶかで決まります。個別試験だけで受験するなら合否に影響しませんが、共通テスト利用入試や併用入試を使うなら受験が必須です。
| 状況 | 共通テストの必要性 |
|---|---|
| 志望校すべてを個別試験だけで受ける | 合否には影響しない |
| 共通テスト利用(単独型)に出願する | 必須 |
| 併用型に出願する | 必須 |
| 早稲田大学の共通テスト必須学部を受ける | 必須 |
| 併願校をまだ決めきれていない | 受けておくほうが選択肢が残る |
判断を後回しにすると取り返しがつきません。共通テストを受けていなければ、後から「共通テスト利用で出願したい」と思っても使えないからです。
私大専願でも共通テストを受けておくメリット
私大専願でも共通テストを受ける価値はあります。理由は、合格の機会が増えることと、今の実力を客観的に測れることの2つです。
具体的なメリットを挙げます。
- 受験校の選択肢が広がる:単独型を使えば、1回の試験で複数の大学に出願できます。
- 一般選抜を受けずに合格できる可能性がある:合格ラインを超えれば、2月の個別試験を受けずに進学先を確保できます。
- 本番の雰囲気に慣れる:全国規模の試験で、会場の空気、時間配分、休憩の使い方を一度経験できます。
- 全国での立ち位置が分かる:全国共通の問題なので、自分の学力を客観的に把握できます。
- 基礎の総点検になる:教科書レベルの基礎が幅広く問われるため、抜けを見つけやすくなります。
- 特例措置の対象になることがある:大規模な災害で入試が実施できない場合に、共通テストの成績で合否を判定する特例措置を設ける大学もあります。受けていないと対象外です。
一般方式の対策は志望校の出題傾向に寄りがちです。共通テスト対策を並行すると、高校の学習内容をバランスよく復習する機会になり、個別試験で必要な土台も固まります。
受けなくても支障が小さいケースの判断基準
受けない選択が成り立つのは、次の条件がそろうときです。
- 第一志望も併願校も、共通テストを使わない方式で受けると決まっている
- 志望校に共通テスト利用がない、または利用しても得点が足りる見込みが薄い
- 個別試験の対策時間が足りておらず、科目を増やす余裕がない
共通テスト利用入試では、同じ大学の同じ学部でも、一般方式より必要な教科・科目数が増えることがあります。科目を絞って勉強してきた受験生にとっては、一般方式のほうが有利になる場合もあります。苦手科目が多い、勉強できる時間が限られている、という条件なら受けない判断にも根拠があります。
ただし併願校を決めきれていない段階なら、受けておくほうが安全です。出願校は後から絞れますが、受験していない共通テストの成績は後から作れません。
私大の共通テスト利用は何割必要?ボーダーの目安
「9割必要」は難関大の一部に当てはまる話で、全体には当てはまりません。2022年度入試の結果から導かれたボーダーラインは、得点率4割から9.5割までの広い範囲に分布していました。
必要な得点率が高めに出る理由は、はっきりしています。単独型は大学独自の試験がないため、共通テストの成績がほぼすべての評価基準になるからです。さらに国公立大学志望者が滑り止めとして出願してくるうえ、募集人数も一般方式より少なめです。
科目数との関係も重要です。同じ大学の中では、教科・科目数が多い方式ほどボーダーは低くなる傾向があります。科目数が少ない方式は得意科目で受験できる人が集まり、得点が上がりやすいためです。
| 方式の設計 | ボーダーの傾向 | 向いている受験生 |
|---|---|---|
| 3教科型 | 高くなりやすい | 科目を絞って完成度を高めた人 |
| 4〜5教科型 | 3教科型より下がる傾向 | 国公立併願者、科目数をこなせる人 |
| 多科目型(7科目など) | さらに下がることがある | 全科目をまんべんなく仕上げた人 |
早慶上智・GMARCHの共通テスト利用ボーダーの目安
難関私大のボーダーは高水準です。2022年度入試の法学部系を見ると、早稲田大学法学部は88%、中央大学法学部法律学科の単独前期3教科型は89%、上智大学法学部法律学科の4教科型は86%でした。学習院大学法学部法学科の3教科型は87%です。
同じ中央大学でも、単独前期5教科型は82%と3教科型より低くなっています。明治大学法学部法律学科も、前期3教科型82%、4教科型79%、5教科型77%と、科目数が増えるほど下がります。立教大学法学部法学科の3科目型は83%、法政大学法学部法律学科のB方式(3教科)は83%、C方式(5教科)は71%、青山学院大学法学部法学科は81%でした。
大学群ごとの詳しい一覧と勉強法はMARCHの共通テスト利用ボーダーと勉強法、早稲田大学については早稲田大学の共通テスト利用入試のボーダーと科目で確認できます。
日東駒専など中堅私大のボーダーと狙い目学部
中堅私大のボーダーは、難関私大より幅があります。学部・学科・方式によって必要な得点率が大きく変わるため、「この大学群なら何割」という一括りの見方は役に立ちません。
狙い目を探すときの視点は次の通りです。
- 募集人数が極端に少ない方式は志願倍率が跳ね上がるが、実質倍率は別物
- 科目数の多い型は受験者が減り、得点率の要求が下がることがある
- 新設学部や立地が不便な学部は志願者が集まりにくい
学部ごとの具体的な数値と穴場は日東駒専の共通テスト利用ボーダー一覧と穴場学部にまとめています。
共通テスト利用の科目数と必要科目(私大文系・理系別)
私大の共通テスト利用は、国公立大学のように5教科が必須ではありません。3教科以下が一般的で、一部の難関大が4教科以上を課す方式を設けています。全体で見ると、1教科1科目から5教科7科目まで幅広く設定されています。
最も多いのは3教科型です。
| 区分 | 典型的な必要科目 |
|---|---|
| 私大文系 | 英語、国語、地歴公民 |
| 私大理系 | 英語、数学、理科 |
科目の扱いにも大学ごとの差があります。
- 国語で古典(古文・漢文)が不要で、現代文のみを課す大学がある
- 英語でリスニングが不要で、リーディングのみを課す大学がある
- 地歴公民と数学のどちらでもよい選択制の方式がある
- 英語資格・検定試験のスコアを換算して使える方式がある
こうした違いがあるため、得意科目を生かした受験が可能です。
情報については、私立大学では選択科目の一部として活用する大学が大半です。必須で活用する方式もありますが、複数ある方式の1つという位置づけがほとんどで、情報を受験しないことで私大の選択肢が大きく狭まる状況には、現時点ではなっていません。
英語資格の換算方法は大学ごとに違います。立教大学の例は立教大学の共通テスト利用で英検は活用可能かで確認できます。
私大志望で共通テストの漢文が必要になるかの確認方法
漢文が必要かどうかは、募集要項の国語の指定範囲を見れば分かります。確認の手順は次の通りです。
- 志望学部の共通テスト利用方式のページを開く
- 「国語」の欄に「近代以降の文章」「古典」のどちらが書かれているか見る
- 「古典(古文・漢文)」とあれば漢文が必要、「近代以降の文章のみ」なら不要
- 配点の内訳が記載されていれば、漢文分の点数も確認する
国語で現代文のみを課す大学もあるため、漢文が未習でも出願できる方式は存在します。漢文なしで受験できる学部の一覧は早慶上智の漢文なしで受験可能な学部一覧にまとめています。
共通テスト利用と一般選抜はどっちが難しい?倍率と募集人数から比較
合格の難しさという意味では、共通テスト利用のほうが高いハードルになりやすいです。理由は3つあります。募集人数が一般方式より少ないこと、受験料が安く出願しやすいこと、国公立大学志望者が併願で大量に出願してくることです。
ただし「倍率」の読み方には注意が必要です。志願倍率と実質倍率はまったく別の数字です。
| 用語 | 計算式 | 読み方 |
|---|---|---|
| 志願倍率 | 志願者数÷募集人員 | 募集人員が少ないと極端に高く出る |
| 実質倍率 | 受験者数÷合格者数 | 実際の競争の厳しさに近い |
2022年度の東洋大学社会学部国際社会学科の前期共通テスト3教科英語重視方式は、募集人員3人に対し志願者数362人で志願倍率120.7倍でしたが、合格者数は162人で実質倍率は2.2倍でした。大阪産業大学工学部電子情報通信工学科の前期共通テストプラス理系型は志願倍率133倍に対し、実質倍率は1.6倍です。
この差が生まれるのは、共通テスト利用は他大学との併願者が多く、合格しても辞退する割合が高いためです。大学は入学者を確保するために、募集人員より多めに合格者を出します。志願倍率の高さだけを見て出願をやめるのは、判断としてもったいない選択です。
併用型は、大学独自の試験を欠席する受験生が出るため、単独型より志願倍率と実質倍率の差が大きくなる傾向があります。
難関私大では共通テスト利用の志願者が集まりやすく、合格に必要な得点率が下がりにくい状況が続いています。共通テスト利用を軸に据えるのではなく、一般方式の対策を主軸にして、共通テスト利用は上乗せとして使うのが現実的な組み立てです。
共通テスト利用の出願時期と手続きの流れ
出願時期は大学によってまったく違います。最大の注意点は、共通テストを受ける前に締め切られる大学があることです。
大まかな流れを整理します。
| 時期 | 内容 |
|---|---|
| 9月下旬〜10月 | 共通テストの出願(高校経由または個人で手続き) |
| 12月〜1月上旬 | 事前出願の私大の締切が集中 |
| 1月中旬 | 共通テスト本番 |
| 1月中旬〜下旬 | 自己採点、リサーチ提出 |
| 2月上旬〜中旬 | 一般方式の試験が集中 |
| 2月中旬以降 | 事後出願の共通テスト利用(後期)の締切 |
| 2月下旬〜3月 | 後期・3月入試の試験と合格発表 |
手続きで必要になるのが成績請求票です。共通テストの成績を大学に送るために使う、志願票とセットで交付される請求用の票を指します。扱いの要点は次の通りです。
- 共通テストに出願すると、受験票とあわせて交付される
- 私大の共通テスト利用に出願するとき、大学ごとに1枚ずつ必要になる
- 枚数には限りがあるため、出願予定校の数を踏まえて計画的に使う
- Web出願でも、別途郵送が求められる場合がある
紛失や枚数不足は出願不能に直結します。出願校のリストを先に作り、必要枚数を数えてから使い始めるのが安全です。手続きの方法は年度によって変わるため、必ず最新の受験案内で確認してください。
共通テスト前に出願が締め切られる大学への対応
2月上旬から中旬の募集日程では、共通テストの受験前に締め切る「事前出願」が多くなっています。難関大を中心にこの形が目立ちます。この場合、自己採点の結果を見てから出願する国公立大学のような動き方はできません。
対応は次の順序で進めます。
- 11月までの模試の結果から、本番の予想得点を見積もる
- 予想得点をもとに、出願校を「届く見込み」「挑戦」「保険」に分けて決める
- ボーダーに届いていない科目を洗い出し、本番までの学習計画に落とし込む
- 締切日を一覧にして、出願漏れが起きない状態を作る
模試の判定が目標ラインに届いていないなら、そのラインを目標に逆算した計画を組む必要があります。出願してから点を取りに行く、という順番になるためです。
一方、2月中旬以降の募集日程は、共通テスト後に締め切る「事後出願」がほとんどです。この場合は自己採点の結果と各種分析データを見て出願できます。ただしデータに基づく出願が行われる分、同じような成績の受験生が同じ大学に集まりやすくなります。公表データを確認しながら、慎重に決める必要があります。
後期日程でも共通テスト利用を実施する大学は多く、MARCHレベルでも個別試験なしの共通テスト利用だけを後期に設ける例があります。前期で思うような結果が出なかった場合の受け皿になります。
共通テスト利用の受験料と併願したときの費用
受験料は一般方式より安く設定されています。大学が独自の問題を作成する手間がかからないためです。
| 方式 | 受験料の目安 |
|---|---|
| 一般方式 | 35,000円程度 |
| 共通テスト利用方式 | 18,000円程度 |
| 共通テスト利用(2教科以下) | 12,000円程度 |
近年は、一般方式に出願した人が共通テスト利用を併願する場合に、受験料を割り引いたり無料にしたりする大学もあります。併願割引の有無で総額が大きく変わるため、出願前に要項を確認してください。
大学ごとの金額や併願の組み方は立教大学の共通テスト利用の受験料、立教大学の共通テスト利用は併願可能か、中央大学の併願割引で確認できます。
共通テスト後の流れ:自己採点・リサーチ判定の見方と合格発表の時期
共通テストが終わったら、まず自己採点を正確に行います。私大の事後出願はこの数字が出発点になるためです。
自己採点で気をつける点を挙げます。
- 問題冊子への解答の書き写しが不完全だと、採点そのものが成立しない
- マークのずれがあると、自己採点と実際の得点が食い違う
- 科目ごとの素点だけでなく、志望校の配点に換算した得点を出す
配点換算が重要なのは、大学によって科目ごとの配点比率が違うからです。素点では届いていないように見えても、英語重視の方式なら届くことがあります。逆もあります。
大手予備校が実施する共通テストリサーチの判定は、出願先を決める材料になります。ただし私大の判定の読み方には条件があります。
| 確認する点 | 理由 |
|---|---|
| 方式ごとの判定が出ているか | 同じ学部でも3教科型と5教科型でボーダーが違う |
| 事前出願の大学は判定が参考情報にとどまる | すでに出願が終わっているため、出し直せない |
| 判定はデータ提出者の中での位置 | 提出していない受験生の存在は反映されない |
合格発表の時期は大学によって違いますが、前期の共通テスト利用は2月上旬から中旬に出る大学が多く、一般方式の試験期間と重なります。ここで合格が1つ決まると、2月後半の受験の組み方に余裕が生まれます。後期の共通テスト利用は、2月下旬から3月にかけて試験と発表が行われます。
共通テストが終わってから私大一般入試までの対策の切り替え方
共通テスト後は、できるだけ早く私大の問題形式に戻すことが必要です。共通テストと私大の個別試験では、問われ方が大きく違うからです。
共通テストは問題文が長く、複数の資料やグラフを比較して考える出題、実用的な題材、会話文といった特徴があります。解答に必要な知識は教科書レベルですが、情報処理の速さが求められます。一方、私大の個別試験は大学ごとに傾向が分かれ、記述が入る場合もあります。
切り替えの手順を示します。
- 自己採点を終えたら、その日のうちに第一志望の過去問演習を再開する
- 共通テストで崩れた科目があっても、私大の配点で重い科目を優先する
- 受験する大学の形式別に、解く順番と時間配分を決め直す
- 直前1週間は新しい教材に手を出さず、既習範囲の確認に絞る
共通テストの出来を引きずるのが最も大きな損失です。共通テスト利用で出願済みの大学は結果を待つしかなく、変えられるのは一般方式の得点だけだからです。
共通テスト対策と私大個別対策を両立させる時期の配分
配分は時期で変えるのが基本です。どちらかに固定すると、共通テスト利用も一般方式も中途半端になります。
| 時期 | 共通テスト対策 | 私大個別対策 |
|---|---|---|
| 夏まで | 基礎固めとして共通の土台を作る | 志望校の出題傾向を把握する |
| 秋 | 形式に慣れる演習を少しずつ入れる | 過去問演習を中心に据える |
| 12月〜1月中旬 | 比重を上げ、実戦形式で数をこなす | 感覚を落とさない程度に継続 |
| 共通テスト後 | 終了 | 全面的に切り替える |
共通テスト特有の形式に慣れるには、共通テスト対策の模試や実戦形式の問題集で繰り返し練習するのが効果的です。知識を増やすより、時間内に処理する訓練に時間を使います。
私大専願の場合、共通テスト対策に割く期間を年内の後半に集中させると、一般方式の準備を大きく削らずに済みます。本番の時間感覚は短期間では身につかないため、最低でも数週間は実戦形式の演習期間を確保してください。
私大の共通テスト利用でよくある間違い
最も多い間違いは、「共通テスト利用は9割必要だから自分には無理」と思い込んで、最初から検討しないことです。実際のボーダーは4割から9.5割まで広く分布しており、9割が必要なのは難関大の一部の方式です。
回避策は次の通りです。志望校と同じ水準の大学について、方式ごとのボーダーを一覧にします。そのうえで、自分の得点見込みで届く方式があるかを確認します。大学名ではなく方式単位で見るのがポイントです。
ほかにも典型的な間違いがあります。
| よくある間違い | 回避策 |
|---|---|
| 事前出願の締切を見落とす | 出願校の締切を一覧表にし、共通テスト前の締切を赤で区別する |
| 一般方式と同じ科目で足りると思い込む | 方式ごとの必要教科・科目を募集要項で1つずつ確認する |
| 志願倍率の高さだけで出願をやめる | 前年度の実質倍率(受験者数÷合格者数)を調べてから判断する |
| 成績請求票の枚数が足りなくなる | 出願予定校を先に確定させ、必要枚数を数えてから使う |
| 共通テスト利用だけで併願校を固める | 一般方式でも受けられる保険校を必ず1校以上入れる |
| マークのずれに気づかない | 試験中に解答番号と問題番号を区切りごとに照合する |
共通テスト利用だけで併願校を固めるのは特に危険です。単独型は募集人数が少なく、1点の差で結果が変わります。共通テストで失敗した場合に受け皿が何も残らない状態になるためです。一般方式での保険校を確保したうえで、共通テスト利用を上乗せするという順番を崩さないでください。
FAST-UPが見てきた私大志望者の共通テスト利用の使い分け4タイプ
指導の現場で見ていると、私大志望者の共通テスト利用の使い方は、おおよそ4つのタイプに分かれます。どれが正解というものではなく、持ち科目と残り時間で決まります。
| タイプ | 考え方 | 向いている状況 |
|---|---|---|
| 安全校確保型 | 届く見込みのある大学に出し、年内に進学先を1つ確保する | 一般方式に全力を注ぎたい人 |
| 上位校チャレンジ型 | 第一志望より上も含め、受験料の安さを生かして広く出す | 得意科目の完成度が高い人 |
| 国公立併願型 | 共通テスト対策がそのまま併願校の対策になる | 国公立と私大の両にらみの人 |
| 受けない型 | 個別試験の対策に時間を全部使う | 科目を絞り切っている人 |
現場でよく見るつまずきは、タイプが途中で混ざることです。安全校確保のつもりだったのに、模試の判定が良かった科目に引っ張られて挑戦校ばかり並べてしまう。結果として、共通テストで一度崩れると手元に何も残りません。出願の目的を1つに決めてから、校数と水準を決める順番が崩れると、判断が感情に寄ります。
もう1つ多いのが、共通テスト対策を始めたまま私大の形式に戻れなくなることです。共通テストの演習は手応えが分かりやすく、続けていると勉強している感覚が得られます。その状態のまま2月を迎え、志望校の過去問に触れる回数が足りないまま本番に入る受験生がいます。
FAST-UPでは、コーチが毎日の学習内容を確認しています。日々のやりとりの中で、共通テスト演習と志望校の過去問の比率が偏っていないかを見ています。配分の崩れは本人には見えにくいため、外から指摘する役割が必要になります。
よくある質問
Q. 私大専願ですが、共通テストの出願だけしておいて受けないのはありですか。 A. 出願だけしておき、最終的に受けないという選び方自体は可能です。ただし受験料は戻りません。また、受けていなければ共通テスト利用には出願できず、災害時の特例措置の対象にもなりません。併願校を決めきれていない段階なら、受ける前提で準備しておくほうが選択肢は残ります。
Q. 共通テスト利用で合格したら、その後の一般選抜は受けなくていいですか。 A. 進学先が確定したなら受けない判断もできます。ただし第一志望が残っている場合は、一般方式を受け続ける必要があります。共通テスト利用の合格発表は2月上旬から中旬に出る大学が多く、一般方式の試験期間と重なります。合格が出てから気が抜けないよう、受験予定は先に固めておいてください。
Q. 共通テスト利用は何校くらい出すのが適切ですか。 A. 校数に決まった正解はありません。受験料が一般方式より安いため出しやすいですが、必要枚数の成績請求票と費用がかかります。届く見込みの大学、挑戦する大学、保険になる大学を分けて考え、それぞれに目的を持たせるのが現実的です。一般方式での受験校とあわせて、総額を保護者と確認したうえで決めてください。
Q. 共通テスト利用の後期は狙う価値がありますか。 A. 可能性はあります。2月中旬以降に出願できる共通テスト利用を実施する大学は多く、有名大学も含まれます。ただし後期は募集人員が少なく、ボーダーが高くなりやすい点には注意が必要です。前期の結果が出た後も受験を続けるなら、共通テストの成績を使える大学を調べておく価値はあります。
Q. 共通テストの点数が目標に届かなかったら、どう立て直せばいいですか。 A. まず自己採点を正確に行い、事後出願で届く方式が残っていないかを確認します。そのうえで、変えられるのは一般方式の得点だけだと割り切って、志望校の過去問演習に戻します。共通テストと私大の個別試験は出題形式が違うため、共通テストの結果がそのまま私大の合否を示すわけではありません。
Q. 共通テストの追試験はどういう扱いになりますか。 A. 本試験を受けられなかった場合に受験する試験です。本試験との違いは共通テスト追試と本試の違いで解説しています。


