早慶は難しすぎる?難易度と難化の理由を解説
学生であれば誰もが憧れる早稲田大学と慶應義塾大学の早慶。
FAST-UP
早慶は科目と学部を選ばなければ難しすぎると感じる入試です。早稲田大学商学部の数学のように平均点が極端に低い科目があり、受験者層も東京大学や京都大学の併願組が中心です。ただし学部ごとの出題のクセに合わせて対策すれば、射程に入ります。
2026年9月時点の情報です。
2027年度入試を目指す場合も、まず見るべきは「早慶全体の難しさ」ではなく「受ける学部の科目ごとの難しさ」です。以下では、難しいと言われる具体的な根拠、難易度の目安、年々難化している背景、そして取れる対策を順に整理します。
早慶が難しすぎるって本当?
科目単位で見れば、確かに難しすぎると感じて当然の出題があります。早稲田大学と慶應義塾大学は学部ごとに入試問題を作っており、学部学科によって特定の科目が極端に重くなるためです。
早慶は科目によっては確かに難しすぎる
例えば早稲田大学商学部の一般入試の数学は、日本でもハイレベルに難しいと言われています。その難しさは東京大学よりも難しいとされるほどです。慶應義塾大学でも同じ傾向があり、英語で大苦戦する受験生が多くいます。科目単位で「無理ゲー」と感じるのは、受験生の感覚が鈍いからではありません。
早慶で特に難しすぎると言われる科目は?
最もよく挙がるのが、早稲田大学商学部の数学です。受験者平均点の水準を並べると、同じ学部の中でも科目差が際立ちます。
| 科目(早稲田大学商学部) | 受験者平均点の水準(60点満点) |
|---|---|
| 数学 | 9点台(10点を切る) |
| 日本史・世界史 | 30点を超える |
| 政治経済 | 40点に迫る |
早稲田大学の英語も、全学部で受験者平均点が5割近辺にあります。英語も相当難しいことが読み取れます。早慶を受ける受験生は早慶対策を必死に行って本番に臨んでおり、ぶっつけ本番ではありません。にもかかわらず60点満点で10点も取れない受験生が並ぶ光景は、やはり異様です。
早慶が難しすぎると言われる理由とは?
理由は大きく3つあります。複合的な知識、論理的思考力、そして学部ごとのクセです。
複数の知識が問われる
単純な知識を覚えるだけでは点数につながりにくい出題です。早慶では複数の知識を組み合わせて1つの答えを導く出題がされるためです。かつてのセンター試験(共通テストの前身で、長く使われた全国共通の入試)では単純な知識が問われ、詰め込みで点数が狙えました。偏差値が高い大学ほど複合的な知識を要求するため、早慶は難しいと感じやすくなります。
論理的思考力が問われる
早稲田大学商学部の数学は、大問3つを90分で解く形式で、時間的にはそこまで厳しくありません。大変なのは論理的思考力が問われる点です。一度沼にハマると脱出に時間がかかるほど、思考の沼が深くなっています。なぜこの結果になるのかを考え抜く姿勢と、その思考の癖が身についていないと苦戦します。
学部によってクセが違う
慶應義塾大学で最も偏差値が高いのはSFC(湘南藤沢キャンパスに置かれた2学部の通称)と呼ばれる総合政策学部と環境情報学部です。小論文と英語もしくは数学という科目構成のため、一見すると負担は軽く見えます。しかし英語は帰国子女でも苦戦するほど難しく、数学は単純な計算問題ではなく巡回サラリーマン問題のようなややこしい題材が目立ちます。学部ごとに問題のクセが異なり、それぞれに対策を立てないと大苦戦します。
早慶の難易度はどれくらい?
偏差値だけでなく、入試問題・受験者層・併願される国立大学の4つの角度で見ると実像がつかめます。
偏差値から見る難易度
偏差値の目安は次の通りです。
| 区分 | 偏差値の目安 |
|---|---|
| 早慶の多くの学部 | 65〜70あたり |
| 慶應義塾大学SFC(総合政策・環境情報) | 72.5 |
この偏差値は河合塾でC評価、つまり合格可能性50%の数字です。A評価を取るにはここに5ポイントをプラスする必要があり、最低でも70はないと厳しいと分かります。学部ごとの細かい水準は早慶上智の偏差値ランキングと推移で確認すると、志望学部の位置づけがつかめます。
入試問題から見る難易度
英語は早慶の全学部で難しく、必要な語彙力は単語1万語レベル、英検準1級レベルでないと厳しいとされます。学部に応じた専門性のある単語を覚えないと長文は読めません。加えて英作文の作成など、やるべきことが多く残ります。入試問題を見る限り、難易度がかなり高いことは明らかです。
選択科目も同様です。社会科目の重さを具体的に知りたい場合は早慶の日本史の難易度と傾向・対策が参考になります。世界史で勝負するなら世界史の教科書を用いた勉強法のように、教科書を軸に知識をつなげる学習が有効です。
受験者のレベルから見る難易度
早慶一本で受験に挑む人は実は少数です。東京大学・京都大学などの旧帝大や、東京工業大学(東工大)・一橋大学の併願先として早慶を受ける人が多いのが実情です。これらの大学を受ける人からすれば早慶は同じレベルにある大学の1つで、最終的に早慶へ進学する人は国立大学受験で散った人がほとんどです。こうした層と戦って勝ち抜く必要がある以上、難易度は相当高くなります。
同レベルの国立大学から見る難易度
併願元となる東京大学・京都大学などの旧帝大、一橋大学や東工大は、いずれも学歴フィルター(採用側が出身大学で選考対象を絞る慣行)にほぼかからない水準の大学です。ここまで来ると運の要素も強く、どれだけ勉強しても合格可能性は五分五分と言われるほど、高いレベルで1点2点を争う勝負になります。早慶でも同じ争いになりやすく、難易度の高さを感じさせます。
早慶やMARCHが年々難しすぎる問題に変化してきている理由
難化の背景は、受験生の努力不足ではなく入試制度と志望動向の変化にあります。主な要因は3つです。
| 要因 | 起きていること |
|---|---|
| 定員の厳格化 | 合格者数が抑えられ、倍率が上がる |
| 推薦枠の拡大 | 一般入試で取る枠が圧縮される |
| 知名度重視と安全志向 | 志望校のランクを下げる動きが連鎖する |
定員の厳格化
東京には早慶をはじめ、MARCHや日東駒専など主力の大学が集中しています。すると全国から学生がこれらの大学に集中します。この状況を改善するために文部科学省が打ち出したのが定員の厳格化(入学者数を定員に近づけるよう求める施策)です。定員を大きく超えて合格者を出すと助成金が交付されないなどのペナルティがあり、合格者数を抑える必要があるためです。結果として倍率が高まり、日東駒専まで一気に難化する流れが生まれました。
推薦枠の拡大
早稲田大学では将来的に推薦枠の割合を6割まで増やすことを計画に入れています。近い将来、半数以上の学生が推薦入試などで入学する時代を迎えるでしょう。この推薦枠の拡大は定員厳格化と連動しています。推薦で入学者の目処を立て、残りを一般入試で補う形になってきているためです。一般入試の枠を争う戦いは激化します。
知名度重視と安全志向
私大難化によって、受験生は誰もが知る大学を目指し、リスクを負わない立ち回りをするようになりました。可能性が薄いまま早慶を狙うのではなく、手堅くMARCHを狙います。早慶を狙えた人がMARCHへ、MARCHを狙えた人が日東駒専へと流れ、全体の難化が進みます。一方で旧帝大や東工大を志望して併願先に早慶を選ぶ層は変わらず受けるため、早慶の受験者層は自然と少数精鋭になっていきます。
FAST-UPが見てきた早慶志望者のつまずき方
指導現場で多いのは、学力そのものより「対象の絞り方」で止まっているケースです。早慶という括りで参考書を増やし、学部別の出題形式に触れる時期が後ろにずれていくパターンが目立ちます。
もう1つ多いのは、難しい科目を避け続けることです。平均点が低い科目は、差がつく科目でもあります。逃げずに形式を割り切って練習した受験生のほうが、本番で崩れにくい傾向があります。
英語の語彙と読解に早い段階で時間を寄せた受験生は、途中の伸び悩みから戻ってきやすい印象があります。英語は全学部で重く、他科目の仕上げ時期を確保する土台にもなるためです。
よくある間違い:偏差値だけを見て対策を決める
よくある間違いは、模試の偏差値が届いていないから早慶は無理だと判断する、あるいは届いているから大丈夫だと判断することです。早慶は学部ごとに出題のクセが大きく異なるため、偏差値の数字だけでは合否の見通しが立ちません。
回避策は、志望学部の過去問を早い時期に1年分解き、形式・時間配分・必要な語彙水準を自分の目で確認することです。そのうえで足りない要素を逆算して教材を選ぶと、やることが絞れます。
早慶が難しすぎると感じる人はどうする?おすすめの対策
取れる道は3つあります。推薦入試の活用、浪人、志望校のランク変更です。どれを選ぶかは、早慶に行きたい本気度で決まります。
可能であれば推薦入試を活用する
偏差値で厳しそうな場合、推薦入試が選択肢になります。3年間の評定平均(各学期の成績を5段階などで平均した数値)が一定の水準をクリアし、資格や部活で一定の成績を残していれば利用できます。資格は英検や数検でよく、準1級などの水準をクリアしていれば活用できる可能性が高まります。検定に取り組み、高校3年間を充実させる方向で合格の可能性が出てきます。
1年間浪人をする
早慶が難しすぎると感じても、1年間浪人すればクリアできる可能性は高まります。早慶対策に集中して取り組み、過去問を積極的に進めていけば、まずは頑張ってみようと思えるはずです。浪人を選ぶ人がどのくらいいるのかは大学生の浪人割合で把握できます。在籍したまま再受験を考える場合は、仮面浪人は就職で不利なのかも読んでおくと判断材料が増えます。
諦めてランクを落とす
取り組み切ったうえでこれ以上の学力アップが厳しいと感じた場合、早慶を諦めるのも1つの手です。自分にとって納得のいく決断であれば、逃げではありません。強く早慶に行きたいなら浪人してでも狙う価値がありますが、それほどでない場合、無理に無謀な挑戦をする必要はないでしょう。
まとめ
早慶へのチャレンジは、東京大学・京都大学・東工大・一橋大学などを受ける受験生との勝負になります。生半可な気持ちで挑む相手ではありません。早慶へ行きたい本気度を改めて確認し、高ければ勝負する、低ければ別の道を選ぶ。後悔のない選択をすることが出発点になります。
よくある質問
Q. 早慶は本当に「無理ゲー」なのでしょうか。 A. 科目単位では無理ゲーに見える出題があります。早稲田大学商学部の数学は60点満点で平均が9点台の水準で、同じ学部の政治経済が40点に迫るのと比べると落差が大きいです。ただし難しい科目を避けて受験できる学部もあり、学部と科目の選び方で戦いやすさは変わります。
Q. 早慶に合格するには偏差値はどれくらい必要ですか。 A. 早慶の多くの学部は偏差値65〜70あたり、慶應義塾大学SFCは72.5が目安です。この数字は河合塾のC評価、合格可能性50%の水準なので、A評価を狙うにはここに5ポイントのプラスが必要です。最低でも70は見ておきたい水準です。
Q. 早慶が年々難しくなっているのはなぜですか。 A. 定員の厳格化で合格者数が抑えられ、推薦枠の拡大で一般入試の枠が圧縮されているためです。早稲田大学は将来的に推薦枠を6割まで増やす計画を持っています。加えて受験生の安全志向が強まり、志望ランクを下げる動きが連鎖していることも難化の要因です。
Q. 英語はどのレベルまで仕上げればよいですか。 A. 早慶の英語は全学部で難しく、単語1万語レベル、英検準1級レベルが目安とされます。加えて学部ごとの専門的な単語や英作文の対策も必要です。早稲田大学では全学部で受験者平均点が5割近辺にあるため、英語で崩れない状態を作ることが前提になります。


