偏差値50から60に上げる勉強法と必要な勉強時間
「偏差値を50から60に上げるためにはどうしたらいい?」
FAST-UP
偏差値50から60へは、計画を立て、正しい勉強法で、まとまった量をこなす順で進めます。目安は約500時間、1日4時間なら約4カ月です。最初の2カ月は数字が動きにくいため、復習中心の学習を続けることが要点です。
2026年9月時点の情報です。
偏差値は受験者集団の中での位置を示す指標です。そのため同じ数字でも、模試の種類によって意味が変わります。判定や数字だけを追わず、何がどこまでできるようになったかで進み具合を測ってください。2027年度入試を目指す場合も、ここで扱う手順は変わりません。
偏差値を50から60に上げるために必要な3つのこと
必要なのは「計画」「正しい勉強法」「学習量」の3つです。どれか1つが欠けると、努力の割に数字が動きません。
計画を立てる
計画がないと、行き当たりばったりの勉強になります。「今日は英語をやったから、明日は数学をやろう」という進め方では、いつ何が仕上がるのかが分かりません。
代わりに「夏までにこの教材を終わらせて、秋からは過去問に入る」と逆算します。逆算しておくと、やり切れば届くという見通しが持てます。見通しがあれば不安になりにくく、目の前の1冊に集中できます。
正しい勉強法で勉強する
勉強法が合っていないと、量をこなしても結果に結びつきません。まず押さえたいのが、記憶の仕組みに沿った進め方です。
人は使わない情報を忘れます。脳は使わない情報を保持する必要がないと判断するためです。そこで復習を重ね、同じ情報を何度も使います。目安として、2週間に3回使った情報は長期記憶に入ります。2週間に3回復習する前提で計画を組みましょう。
休憩の取り方も同じくらい重要です。脳は一度疲れると、回復に長い時間がかかります。疲れる前に短い休憩を入れると、短時間でも回復します。疲労を感じる前に休むことで、集中が長く続きます。
学習量を確保する
成績は短期間で簡単に動くものではありません。使える時間を勉強に振り向ける姿勢が前提になります。計画と勉強法が整っている場合、量を増やすほど到達点は上がります。
科目別の勉強法
科目ごとに、取り組む順番が決まっています。順番を飛ばすほど遠回りになります。
国語
最初に知識を固めます。どの試験でも、漢字の読み書き、慣用句、四字熟語、古文単語、古文文法など、知っていれば一瞬で解ける問題が出題されます。ここを落とすと他の受験者と差がつきます。
次に基礎の徹底です。試験では基礎から標準レベルの問題を落とさないことが得点を左右します。同じ教材を何度も繰り返してください。
最後に、時間内に解き切るトレーニングをします。実力があっても、時間配分を誤れば発揮できません。時間配分の精度は、基礎を終えた後にどれだけ過去問を繰り返したかと直結します。
数学
基礎を固めることが先です。伸びない人に共通するのは、基礎を理解しないまま次へ進むことです。数学は積み重ねの科目で、基礎の知識で標準問題を解き、標準問題の知識で発展問題を解きます。
土台が曖昧なままだと、後から取り返すのが難しくなります。基礎問題で分からない箇所を「まあいいか」で流さないことが大切です。
また、5分考えても分からない問題は解答を見ます。考えているだけでは前に進まず、解法を理解する時間が確保できないためです。1問に数十分かける進め方は避け、理解に時間を使いましょう。数学的な思考力は、基礎を理解したうえでの演習を通じて身につきます。
英語
英語は次の順番で進めます。
- 英単語
- 英文法
- 英文解釈(一文の構造をつかんで正確に意味を取る学習)
- 長文
長文から始めてはいけません。なんとなく多読しても力がつかないからです。英単語、英文法、英文解釈を学び、一文を正確に読めるようにします。そのうえで長文を多読すれば、読解力は積み上がります。
なかでも重要なのが英単語です。長文中の単語を5秒かけて思い出す人と、瞬時に思い出す人では、読む速度がまったく変わります。単語は瞬時に意味が出るレベルまで仕上げてください。
方法は反復です。脳は何度も使った情報を、生存に重要な情報と判断して長期記憶へ移します。反復するほど記憶は強固になります。
社会系科目
最初に一問一答(用語を一問ずつ答える形式の問題集)で基礎知識を入れます。どの試験でも教科書レベルの知識を完璧にすることが前提になるためです。
教科書を読んでいて、知らない語句や人物名が続くと内容が頭に入りません。逆に語句を先に入れておくと、教科書の記述が一気に理解できます。
次に教科書で流れをつかみます。「一問一答は完璧なのに点が取れない」という状態は、知識が点のままで止まっているために起こります。「この人物はこの時代にこうしたことをし、その影響で次の時代の動きにつながった」と線でつなげると、得点力になります。教科書の使い方は世界史の教科書を用いた勉強法でも具体的に整理しています。
最後に問題演習です。解いてみると「こういう聞かれ方をするのか」という発見があります。日本史なら「仏教の歴史について」「文字の歴史について」など、テーマごとの出題もあります。解いた後に新しい角度でまとめ直す作業を繰り返すと、安定した力がつきます。難関大の出題傾向は早慶の日本史の難易度と対策も参考になります。
理科系科目
まず図やイラストを見ながら基礎知識を学びます。理科系は暗記が少ないと考えて知識を軽視しがちですが、どの問題も知識を土台に成り立っています。
基礎知識を学ぶときは、図やイラストを必ず併せて確認してください。文章だけより記憶が定着しやすくなります。
次に問題集で基礎知識をテストします。テストをすれば、知識が入っているかを客観的に確認できます。できていない箇所は次のように処理します。
- 解説を読む
- 参考書で間違えた分野を学び直す
基礎が入ったら発展問題に進みます。発展問題は知識をそのまま答える問題より難易度が上がります。最初は問題文が理解できない、知識の使い方が分からないという状態になりがちです。
それでも解説を読み、「分からない」を「分かった」に変えていけば、発展問題に対応する力はついていきます。発展問題で得点できるようになると、偏差値の伸びにつながります。
よくある間違い:「3周したから完璧」で止まる
最も多い失敗は、できたつもりで先に進むことです。「参考書を3周したから完璧」と自己判断すると、本番で解けないことに初めて気づきます。
回避策は、自分で判断せずテストで確認することです。問題集や過去問で解けるかを試し、解けなかった分野だけ解説と参考書に戻ります。客観的な「できた」を積み上げる形にすれば、抜けを残したまま進むことがなくなります。
偏差値を50から60に上げるために必要な勉強時間
目安は約500時間です。1日4時間なら約4カ月の計算になります。
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| 必要な総学習時間 | 約500時間 |
| 1日の学習時間 | 4時間 |
| 日数 | 120日(4時間×120日=480時間) |
| 期間 | 約4カ月 |
あくまで目安ですが、この水準を一つの目標にしてください。
期間ごとの偏差値の推移
| 期間 | 偏差値の目安 |
|---|---|
| 1カ月目 | 50→50 |
| 2カ月目 | 50→50 |
| 3カ月目 | 50→55 |
| 4カ月目 | 55→60 |
成績は勉強した分だけ比例して伸びるものではありません。一定期間続けたあとに、まとめて動きます。最初の2カ月ほど数字が変わらなくても、手を止めないことが大切です。
受験段階別のコツ
押さえどころは段階によって変わります。
| 段階 | 最優先のコツ |
|---|---|
| 中学受験 | 基礎を固める |
| 高校受験 | 疲れる前に休憩する |
| 大学受験 | 復習重視で進める |
中学受験の場合
基礎を固めることが最優先です。当たり前に思えますが、時間が限られた受験ではここが結果を分けます。
理由は出題の内訳にあります。問題の6〜7割は基礎から出題されます。そのため「基礎問題を完答し、できるだけ発展問題の正答率を上げる」形が合格に近づきます。基礎に時間を投資してください。
高校受験の場合
疲れる前に休憩することが効きます。休憩の取り方で勉強の効率が大きく変わるためです。「朝は集中できるのに、午後は手につかない」という状態は、休憩の設計で改善できます。
休憩については、次のことが知られています。
- 疲れる前に休憩を取ると、短時間でも回復する
- 疲れた後の休憩は、回復に長い時間がかかるか、翌日まで戻らない
- 夜より朝の休憩のほうが効率が高い
つまり「疲れる前に休む」ことで、効率を落とさず勉強を続けられます。
大学受験の場合
復習重視で進めます。人は繰り返したもの以外を忘れるためです。
1週間前の夕食は思い出せなくても、家族の名前は即答できます。人生の中で何度も反復してきたからです。脳は繰り返した情報だけを重要と判断し、長期記憶に保存します。
したがって「参考書を1回読んだ」だけでは残りません。2週間に3回の復習を前提に、参考書や問題集を回してください。
FAST-UPが見てきた、偏差値50で足踏みする人の共通点
指導現場で見ていると、偏差値50付近で止まる人には共通した型があります。能力の差ではなく、進め方の癖であることがほとんどです。
- 基礎の抜けを飛ばしたまま、難しい問題集に手を出している
- 新しい教材に進むことが優先され、復習の間隔が空いている
- 模試の判定を見るたびに教材を入れ替えている
- 計画が「今日やること」だけで、入試までの逆算になっていない
- 休憩を取らずに粘り、夕方以降の学習が崩れている
つまずきの多くは、科目ではなく学習の設計側にあります。伸び悩んだときは、教材を変える前に復習の頻度と計画の粒度を見直すと、原因が見えやすくなります。
偏差値60で狙える有名大学3選
偏差値60に届くと、選択肢は大きく広がります。
| 大学 | 区分 | 位置づけ |
|---|---|---|
| 神戸大学 | 国公立 | 関西で京都大学、大阪大学に次ぐ難関 |
| 上智大学 | 私立 | 全国的に人気が高い私立大学 |
| 同志社大学 | 私立 | 関関同立の中でも難易度が高いとされる |
神戸大学
神戸大学は、関西で京都大学、大阪大学に次ぐ難関国公立大学です。全国的に見てもレベルが高く、毎年各地から受験者が集まります。偏差値60あれば、狙う土俵に立てます。
上智大学
上智大学は、国内でもトップレベルの私立大学です。MARCH(明治・青山学院・立教・中央・法政の総称)より難易度が高いとされることが多く、人気も高い大学です。学部ごとの数字の差は早慶上智の偏差値ランキングで確認できます。
同志社大学
同志社大学は、関西を代表する私立大学です。関関同立(関西・関西学院・同志社・立命館の総称)の中でも、難易度が高いとされています。
まとめ
偏差値50から60への到達は、計画・正しい勉強法・学習量の3点で決まります。目安は約500時間、1日4時間なら約4カ月です。最初の2カ月で数字が動かなくても、復習の頻度を保ったまま続けてください。
よくある質問
Q. 偏差値40から60を目指す場合はどうすればよいですか。 A. 途中の50を一度の目標に置き、二段階で進めるのが現実的です。40の段階では基礎の抜けが広い範囲に及ぶことが多く、先に基礎を埋めるほど後半の演習が進みます。必要な時間は50から60を目指す場合より多くなります。
Q. 中学生でも同じやり方でよいですか。 A. 手順は同じです。高校受験の段階では、疲れる前に短い休憩を挟む形にして、夕方以降の学習量を落とさない工夫が効きます。基礎の反復と2週間に3回の復習も共通です。
Q. 勉強時間さえ確保すれば偏差値は上がりますか。 A. 時間だけでは足りません。復習の間隔が空いていたり、基礎を飛ばして難問に取り組んでいたりすると、量に見合った結果になりにくくなります。時間を増やす前に、順番と復習頻度を確認してください。
Q. 2カ月続けても偏差値が変わりません。やめたほうがよいですか。 A. 目安の推移でも、最初の2カ月は数字が動きにくい時期です。教材を変えるより、同じ教材を2週間に3回のペースで回し切ることを優先してください。
Q. 現役で間に合わない場合はどうなりますか。 A. もう1年かけて志望校を目指す選択肢もあります。判断材料として、大学生の浪人割合で実際の割合を確認しておくと、進路の見通しを立てやすくなります。


